補助金と助成金ノート

北陸の田舎で経理(13年)をしております。主に実体験を踏まえた補助金や助成金について綴ります。

事業の最低賃金引き上げをするなら【業務改善助成金】をご利用ください

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業務改善助成金とは中小企業と小規模事業者の生産性向上の支援と事業場内の最低賃金引上げのための助成金です。

 

生産性向上と賃金の引上げをイコールの関係で結ぶ『業務改善助成金』について綴ります。

 

 

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●支給対象者

業務改善助成金の支給対象者は事業場内の最低賃金が1,000円に満たない中小企業と小規模事業者です。業務改善助成金を過去に受給した事業場も再度受けることができます。

 

中小企業の定義

サービス業

・資本金の額、または出資の総額が5,000万円以下の会社。

・常時使用する従業員の数が100人以下の会社、または個人。

小売業

・資本金の額、または出資の総額が5,000万円以下の会社。

・常時使用する従業員の数が50人以下の会社、または個人。

卸売業

・資本金の額、または出資の総額が1億円以下の会社

・常時使用する従業員の数が100人以下の会社、または個人

製造業その他

・資本金の額、または出資の総額が3億円以下の会社

・常時使用する従業員の数が300人以下の会社、または個人

 

小規模事業者の定義

卸売業・小売業

常時使用する従業員の数5人以下

サービス業(宿泊業・娯楽業以外)

常時使用する従業員の数5人以下

サービス業のうち宿泊業・娯楽業

常時使用する従業員の数20人以下

製造業その他

常時使用する従業員の数20人以下

 

 

●助成対象となる条件

助成金を受給するための条件は以下になります。

・賃金引き上げ計画を策定する

・引き上げた賃金を支払う

・生産性向上のための機器や設備の導入、教育訓練や経営コンサルティングといったサービスによって業務改善を行い、費用を支払う

・解雇や賃金の引き下げなどの不交付事由がない

 

機器や設備の導入に関しては、環境改善や単なる経費削減、通常の事業活動に伴うものは除外となる点に注意してください。

 

 

●助成金額

業務改善助成金は、最低賃金をいくら引き上げるかによって2つのコースに分かれています。共に1人から助成金の受給が可能です。

 

引上げ額

助成率

引き上げる労働者数

助成限度額

助成対象事業場賃金

30円以上

7/10

1人以上3人以内

50万円

事業場内の最低賃金が1,000円未満

4人以上6人以内

70万円

7人以上

100万円

40円以上

1人以上

70万円

事業場内の最低賃金が800円以上1,000円未満

 

助成率に関しては常時使用する従業員数が企業全体で30人以下の事業場の場合は3/4になります。また、生産性要件を満たしていれば3/4が基準となり、常時使用する従業員数が企業全体で30人以下の事業場の場合は4/5と助成率がアップします。

 

 

●おわりに

生産性の向上によって最低賃金の引き上げを図ることを目的とした業務改善助成金は、複数回受けられることがひとつのメリットです。賃金アップは従業員のモチベーションに直結するため、可能ならば積極的に利用したい助成金です。

 

■参考

厚生労働省 業務改善助成金

~最低賃金の引上げに向けて~生産性向上の事例集