今日は、経営革新が承認されたら、どんな支援が受けられるのかご説明します。
経営革新承認の概要については、過去記事を参照ください↓
経営革新は別名、中小企業等経営強化法とも呼びます。では、どのような支援策があるのか深堀して綴っていきます。
<1.公的融資による資金調達>
■信用保証の特例
信用保証協会の保証枠の拡充で金融機関から融資
こちらは、計画に沿って行う事業に必要な資金を、通常の保証限度額とは別に同額の別枠が設けられます。
上記の表から、単純に2倍ということになります。また、研究開発費の対象とする新事業開拓保証については、限度額が通常2億円から3億円に拡充となります。
■政府系金融機関の低金利融資制度
日本政策金融公庫 (新事業活動促進資金)
「中小企業事業」
融資額 |
2憶7,000万円以内 (うち運転資金:4,800万円以内) |
返済期間 |
設備資金:20年以内(据置2年以内) 運転資金:7年以内(据置3年以内) |
利率 |
特別利率(低金利を適用) |
※承認企業向けに最大15年間は利息のみ返済の【挑戦支援資本強化特例制度】があります。元金は期限に一括返還し、4,000万円以内保証人、担保不要があります。
■資本性ローン
融資限度額 |
国民生活事業:4,000万円 中小企業:3億円 |
担保・保証人 |
無担保/無保証人 |
特徴 |
①長期一括返済:元本の返済期限は5年~15年に一括して返済。 そして、返済期限の到来時には通常の融資等へ借換えも可能です。 このことから、一括返済による資金不足やリスクを軽減できます。 ②業績連動型金利:赤字の期間は金利が優遇されます。 ③自己資本計上:自己資本とみなされるので、追加融資を受けやすいです。 |
ここで豆辞典。
<長期一括返済とは?>
☑通常の融資…融資の後に元本(元金)と金利を分割して毎月返済することです。
☑資本性ローンの場合…融資の後に金利のみを毎月返済し、元本(元金)は返済期限(7年~15年)に一括返済をすることです。
■都道府県の制度融資(経営革新承認による低金利融資制度)
★東京都→「産業力強化融資」
★埼玉県→「産業創造資金」
★千葉県→「挑戦資金」
★神奈川県→「フロンティア資金」など。
■小規模企業設備資金貸付制度の特例(小規模企業が購入する設備資金を無利子で貸し付ける制度です。貸付限度額や貸付割合が拡大されます。)
※こちらは都道府県によって異なります。
<2.補助金・助成金・その他の支援制度>
補助金と助成金等への支援
経営革新計画承認を受けることで、審査における優遇があったり、承認企業のみしか申請できないものがあります。(例.ものづくり補助金の加点や補助率アップ等)
■承認による優遇措置 |
各補助金、助成金、中小企業総合展(新価値創造展) |
■承認企業限定 |
経営革新関係補助金、市場開拓助成事業 |
中小企業総合展(新価値創造展)
日本最大のビジネスマッチングの場です。様々な業種の企画開発担当者や購買担当者等が来場する展示会になります。中小企業、ベンチャー企業の方々が自社の最新製品や技術、サービスを展示、紹介することで販路開拓や提携に繋がる場です。
☑一般申込…108,000円(税込)/小間
☑ミニ小間…75,600円(税込)/小間
☑スペース小間…6,480円(税込)/m²(3日間)
販路開拓の支援等
承認企業を対象として販路開拓を促進させるため、中小企業・ベンチャー支援センターの販路開拓コーディネーターが企業、商社などへの紹介や取り次ぎにより支援する制度です。
ベンチャーファンドからの投資
経営革新計画に従って、経営革新のための事業を行い、株式公開を目指す未公開株式会社は、ベンチャーファンドからの投資対象となります。
特許関係料金減免制度
承認計画のうち、技術開発に伴う研究開発事業にかかる特許関係料金は半額に軽減される制度です。審査請求料や特許料が1/2になる軽減申請を行うことができます。
海外展開事業者への支援制度
現地の子会社への資金調達などを支援する制度です。
中小企業投資育成株式会社法の特例(投資の特例)
通常、投資育成株式会社の対象事業となるのは、資本金3億円以下に限られていますが、承認企業については、資本金3億円を超えても投資の対象とします。
<3.おわりに>
「経営革新計画承認」にかかる制度や優遇措置を深堀していきましたが、いかがでしたでしょうか?手厚い支援や制度が設けられていることがわかります。承認を受けると、会社の信用度向上にもつながると思います。機会があれば挑戦してみてくださいね。